私の仕事を通して感じたことや学んだこと、私自身いろんな心の悩み苦しみから乗り越えた、そういう体験の中から、今小学校6年というとても大事なところにいるみんなに何かメッセージを伝えられたらと思い、今日このような場を作ってもらいました。
まず私が今している仕事は、小学生から70歳過ぎのいろんな人の心の悩みや肉体的な病気で苦しんでいる方々が来られて、お話を聞き、その苦しみを癒し解放するお手伝いをしています。
苦しみや怒りの中にどっぷり入ってしまったとき、それがどんどん大きくなったように感じたり悲しみの中に入り込んだりすることのだけれど、そういう中に入っていると自分がみえなくなってしまいますね。誰かが外から見てこうだよと、教えて引き上げることが必要、そういった意味でお手伝いと言っています。
いろんな人の悩み、大人の人の話を聞いていると、幼い頃や小学校時代に心が傷ついてしまったことが多く、無視やいじめ、お父さんお母さんから言われた言葉に傷つき、そういった時に、怒りや悲しみなどの「感情」を感じると、泣くと「泣いたらみっともないからやめなさい」、怒ると、「いけないことだ」などといわれてきたと思います。
私は仕事を通して、また自分の苦しみを通して感情を表現する、解放の大切さを実感しました。感情、怒りや悲しみは感じていいものなのです。ただ出す時に、怒りの場合、怒り狂って人を言葉や暴力で傷つけてしまうとその分自分も傷ついてしまいますね。ちゃんと正しい感情の解放のし方があるのです。
私の体験をお話しますね。
私には小学生の2人の男のコがいて、上の子が2歳位になった時から感情的な苦しみがでてきました。私のお母さんは、私が子供の頃、結構「こうしなさい、あーしなさい、ダメダメ」とよくいう人だったので、いつも私は小さくなって、怒られるのが怖いので本当の気持ちを言えないでいました。
私には一人妹がいて、私はお姉ちゃんだったのですが、子供の頃すごくいい子の仮面、お姉ちゃんの仮面をかぶっていました。こうしないと私はお母さんに好きになってもらえない、愛されない、と思っていたんですね。ホントはこう言いたいのにと、本当の気持ちを言えず、ずっと我慢していました。
私のお母さんは私を愛していないわけではないけれど、こうしなさい、あーしなさいと言われ、すごく悲しくて、ひとり布団をかぶってよく泣いたりしていました。怒ると「みっともない、短気は損気」、きょうだいゲンカをすると「お姉ちゃんなんだからやめなさい」と言われ、ずーっと感情が出たがっているのに抑えてきたのね。だんだん大きくなって、結婚して子供が生まれ、子供が2歳くらいになった時に、お母さんから言われた言葉をそのまま子供に言ってしまっている自分に気づき、とてもショックでした。言いたくないのにひどい言葉を言ってしまう。私と同じ苦しみ悲しみを子供に与えてしまっているのかと思うと本当につらかったんです。
なぜそういうことが起こるのかというと、私の過去の心の傷が私の子供を通してスイッチが押され刺激されるから反応してしまい、傷がどんどん出てくるんですね。そこに傷があるから治す必要があるよということを、教えてくれる役目を子供がしてくれてたんです。お母さんから言われてイヤだったことを、なぜ言いたくないのに自分の子供に言ってしまうのだろうと、ずっと考えて、色々心の勉強などもしていくうちにやっとわかったんです。
よく病気の時熱が出て、38度くらい出てお水を飲んで汗をたくさんかくと、ポーンと下がりますね。すっきりさわやかな気分ですよね。皆さんは、「自然治癒力」という言葉を聞いたことがあると思うのだけれど、体は自ら自分で自分を治す力があるんです。熱を出すことによって菌を殺し、本来の健康な状態に戻ろうという力が備わっているのです。
それと同じように心にも「心の自然治癒力」があります。怒りを感じた時悲しみを感じた時、感じて感じきって出す。出さないとふつふつと奥に潜んで隠れてしまい、大人になったある時にある何かがきっかけとなって、色々心や体の病気となって出てくるんですね。そんな風に過去から抑えてきた感情が、全部色々なこととして表面に出てきてしまう、ということが、私の体験や現在の仕事を通してよ〜くわかったのです。
「私はダメなんだ」とか「私は生きていく価値がないんだ」とか深いところで思い込みを創ってしまう。そこには、「どうして見てくれないの? どうしてわかってくれないの? どうして愛してくれないの?」などという悲しみがあります。
私はお母さんに対して、どうして私を受け入れてくれないの? どうして人と比べるの? という怒り恨みを感じるようになったんです。恨み怒りを感じるのはダメだと思うから、つけもの石のようなものでどっかとフタをして抑えてしまう。こういうものが深い心の奥に潜んでしまうもので、大人になってからの苦しみの原因になるんです。
こういう状態のものを、ひとりひとりの心の中に実は持ってしまいます。私は自分の子供が生まれたときにこれに気づいて、このままだったらずっーと子供をどんどん傷つけてしまうから、それは絶対にいやだから、見つけて解放したいと強く思いました。
そしてつけもの石をどかすようなことが起きたのです。それは何かというと、お母さんに対するすごい怒りや恨みがどーっと出てきたんですね。お母さんに直接ぶつけたわけではなくて、その当時は私のようなカウンセラーという人に話を聞いてもらって、その人をお母さんに見たてて感情をぶつけたんです。お母さんに直接いうと「今ごろそんなことを言われても…」と、お母さん傷つきますからね。
泣きながら「どうしてこんな風に育てたの?」「私のせいにしないで」「私を人とくらべて!」と、めちゃくちゃ怒りをカウンセラーにぶつけたんです。声に出して言うということは、すごい感情の解放になるんですね。その後すっきりして、あまりお母さんに対する怒りは湧き上がってこなくなりました。
つけもの石をどかした状態で、そうすると今度はフタがあくんです。そうすると私は私のことを、本当はなんて思っていたのかがわかります。「私はダメだと思っていた」「私は生きていく価値がないと思っていた」「私なんていない方がいいと思っていた」「私のこと大嫌いと思っていた」ということに気づいたんです。それまではフタをしているからお母さんに対する怒りや恨みばかり出て来ます。お母さんのせいにばかりしたくなります。
こういう思いを持っているから、私の隠れた怒りを刺激する、お母さんと似たような人を引き寄せてくるんですね。
たとえば、「人と比べられるのがすごくイヤ」という心のクセを持っていたら、人がなにげなく言う言葉に、「あっ、バカにされた」「比べられた」とすぐ反射的に思ってしまうわけですね。実は「比べられた」という怒りは、ずーっと過去にお母さんや他の人たちに言われて溜めて抑えてきた感情が刺激されて出てきているだけなのです。
今現在誰かから比べられるようなことを言われると、ムクムクとその過去の怒りが吹き出してきて、その怒りは言ったその人にガンとぶつけたくなる。みんなが持っている感情というのは、実はほとんどがずーっと過去から抑えてきたものなのです。
怒られるのが怖いと思っている人とか、ひとりひとりたくさんの心のクセを持っています。私のように「比べられた」「バカにされた」「批判された」という心のクセを持っている人もしるし、いろいろなんですね。みんなひとりひとりどんな心のクセというものを持っているのかな〜と、時には感じて考えてみるのも大事ですね。一人一人のこれからの人生をもっとよりよく、本来ひとりひとりもっている輝き能力がもっともっと伸びるために、過去に持っていた感情をどんどん手放していく必要があるんです。
大人達はとても頑なで、なかなか感情を解放できずに苦しんでいます。けれど、大人になってもこういうことを説明しながら、ひとつひとつ過去の恨みや怒りなどを、声に出したり感じきる味わうようにセラピーの中で誘導しています。たとえば、昔のお母さんから言われた言葉を思い出したら、ドンドン声に出して怒りを表現するよう、正直に感じていいんだよと、励ましながらやってますね。
ただ湧き上がってくる感情をクッションに向かって叫んだり、ひたすら感情に触れて感じきるだけ。そうしたらいつのまにか、もやもやがスコーンとぬけていきます。まさにフタが開いてするするする〜と出ていくような感じですね。そこに本来持っている本質、輝きは何かというと、「私はこのままで素晴らしく価値がある〜!」というものなんです。
そうしたら幸せな気持ち、力がみなぎってくる感じがしてきます。今まで自分はダメだと自信がなかったり、人から何か言われてふにゃふにゃ〜、よろよろ〜となっていたのが、地に足をつけたような、静かな揺るぎ無い自信が出てきて、「誰に何を言われようが、私は私の人生を生きる〜!」と、それからの人生が大きく変化していくんですね。
オーストラリアという国では、小学校の授業で感情の解放のしかたなどを教えているんだそうです。私は日本でももっともっとこういうことを学校の授業に取り入れていってほしいと思っています。とても大切なことだと思います。そのための第一歩の活動として、今回このような場を作ってもらいました。
私達は感情に取り込まれて、過去の感情に支配されてしまうから、それによって新しい情報を得ようとしても、またこうなるかもしれない、怖いと、せっかく新しいことが来ているのに受け取れないでいるというもったいないことをしています。それはいいとか悪いとかいうことではなく、いつかそれに気づいて解放していくという、一歩一歩の段階はその人の学び、人生の生き方の勉強なんですね。
私がこういう仕事についたのは、母との関係を見つめていった中で、母に対する恨みを解放していったら、悲しみがあって、私をわかってほしい、もっと見てほしい、注目してほしい、認めてほしいという思いがあって、それらを解放していったら、「あ〜、私は本当はお母さんからすごく愛されていたんだな〜」ということにやっと気づいたんです。
心の傷を解放していったとき、お母さんから愛されていたんだな〜と思った時に、お母さんのことを深く理解することができました。お母さんもそのまたお母さんやお父さんから、私と同じように言われてきたことなんだな、お母さんも私に傷が刺激されて、私にダメダメと言ってたんだなということがわかりました。
みんなにはお父さんお母さんがいて、そのまた上にお父さんお母さんがいて、ずーっとずーっとたどっていくと、たくさん先祖がいますね。みんな結構似てたりしますね。心のクセとか同じような病気になりやすいとか。お父さんもそのまたお父さんお母さんから言われてきたこと、そのまたお父さんお母さんから伝わってきたこと、傷や行動のパターンというのはずーっと伝染してきたということがわかったんです。それなら私は自分の子供にはそれを伝えたくないから、私でこの傷は伝染させない、ストップさせると思ったんです。そう思った時にとても苦しくなり、自分の中の昔の感情がどんどん出て来ました。悲しみ怒り、見たくない醜い自分もどんどん出て来る。頑張って解放していった時に、自分の心のクセ、否定されるようなことを言われると小さくなるように感じたり、バカにされたと感じた自分が、感情を解放していくことによって、だんだん反応しなくなっていく、楽に生きられるようになった自分を感じて、とても嬉しかったんですね。
今は心の時代と言われていて、戦争中とかは生きるのが必死でした。だから自分の心を深く見る余裕はなかったんですね。今なぜこんなに心の病がふえているのか、感受性の強い敏感な人が増えているのか。今日本はすごく豊かな時代ですね。生きるのが必死というのとは違います。自分を見つめざるを得ない世の中になってきています。でもそれはすごいチャンスなんです。ひとりひとりの持っている能力、もっと発揮すると世の中全体がすごく変化していく。今いろんなところで戦争が起きたり色々あるけれど、それは全部私たちの心の中にあるものを写し出しているものなんですね。だから、まずは私たちの心の中で起きている戦争をやめること。すべて世の中は私達の心の中を写し出しているものだと、私は思っています。
感情、たとえばすごく怒りを感じた時、みんなは体のどのあたりでどんな風に感じますか? 感情や思いがすべて体に現れてきます。言いたいのに言葉を飲み込んでいたら、のどが弱くなったりつまりを感じたり、自分を責めてばかりいたら心臓がギューッと痛くなったり、怒りばっかりためていると便秘になったり。期待、責任を感じていたり、人の荷物まで背負っていると、小学生でも肩こりになったり、などなど…。まず「思い」があって、感情がたまるにたまると病気になったりします。体は正直ですからね。
私はセラピーの中で、体からさぐっていくやり方をするんですが、根底では怒りを貯め込んでいたり悲しみを貯め込んでいたりしていることが、体からのメッセージで本当によくわかりますね。
傷の伝染、傷か治っていく段階で、愛されていたんだと分ったこと、苦しんだり悲しんだりする体験は実は何ひとつ無駄ではないんです。私は自分の体験から身にしみてわかったので、だから人のお手伝いをしたいと思いました。過去を振りかえった時に、私にひどいことを言ったりしたりした人達に、すごい感謝の気持ち、育ててくれてありがとう、教えてくれてありがとうという気持ちがわーっと出て来ましたね。
いかに感情を抑えるかのではなく解放するということが大事だということ。今まで教えてくれる人もいなかったし、どうやって出したらいいの?と思うかもしれないけれど、怒りが出てきたりケンカになったら、マットをけったりたたいたり、クッションに向ってさけんだりして解放するやり方を教えています。ほとんどが過去からの感情ですから、解放していくと、もうそれに囚われることはなくなっていきます。みんなの中にある感情のスイッチ、それを感じたら、あーこれがそうなんだなーと思って、人にぶつける前にどこかにいって、それをやってくださいね。でも時には誰かにぶつけてしまったり、失敗してしまうことがあると思いますが、少しづつ、進んでいきましょうね。
悲しかったら泣いていいんです。感情を感じるのは何ひとつ悪いことではないんですよ。それは「心の自然治癒力」。だから赤ちゃんはどんどん泣いて解放していっている。そしてすぐニコニコ、ですね。誰に何を言われても、怒ったり悲しいと感じることは、全然悪いことではないんです。
先生:今の話で、かーっと頭にきたり怒りを感じたら体のどこで感じるかな?
生徒:「手」
生徒:「頭」
生徒:「足」
生徒:「お腹?」
先生:みんな、今度怒りを感じたら体のどこにきたかなーと感じてみてね。
頭で考えることと感じるということは違うということ。勉強は頭で考えたり覚えたりしますが、散歩したり人の気持ちを感じたりは、みんな胸の真ん中で感じているはずです。これからみんなは、「感じる」ということ、自分の気持ちを感じたり人の気持ちを感じたり、そういうことをすごく大事にしていってほしいな〜と思います。
とくに男のコの場合、「男のコでしょ、泣いちゃダメ、お兄ちゃんでしょ、男は強くなければ。」と言われると泣けないから、感情をかなりブロックしがちで、なかなか「感じる」ということができなくなってしまいます。大人になって誰にも言えず、ひとりで抱え込んで悩んで自殺してしまったりということが、起こってしまいます。とても悲しいことです。誰が何を言おうが感情を感じて解放していいんだということ。ケンカしてもいいけれど、ただ相手を肉体的に傷つけてしまう、言葉で傷つけてしまうのはどうなのか、それはその時その時によ〜く考えてみてね。自分の気持ちに正直になって、悪いな〜と思ったり、間違ったら素直に「ごめんね」とあやまる勇気も必要ですね。
「感じる」ということは、とても大事なことなのです。ということを、これからも大切に、考えてみてくださいね。ありがとうございました。
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